第1トーク サトー克也さんとオイラ

 その5 『これからのCMって?』


川越 あと、これからのCMとか広告に望むことってありますか?
サトー うーん・・・・・、昔は流行語大賞の出どこってCMだったり
したけど、最近ないでしょ。
CMっていうものが、そこまで話題になってないじゃない?
川越 ああ、そうですね。
サトー もう、広告っていう生き物の寿命が衰退期に入っているとは
思うのね。
川越 はあ、死んじゃうか・・・。
サトー わずか、TVCMって50年だしね。
TVドラマも視聴率下がってるっていうし。
今や、多くの人がCMってものにインタレストを持ってない。
それどころか、ぜんぜんCMってものを信用してない。
「ま、広告で言ってるのはそういうことだけどさあ」って、
キレイゴトだってことを見透かされてるでしょ。
川越 そうですねえ。
サトー なので、これからのCMにどうあって欲しいというか、
お得意さん(クライアント)も気づかなきゃいけないことは、
従来の広告手法でやってても、商品のこと振り向いてくれないよ、
ってこと。
今、おもしろくもなんともない“ザ・広告”の面構えをして、
安心してるだけなんだよね。お得意さんもクリエイターも。
「あ、広告らしい広告ですね」って(視聴者に)思われた段階で、
振り向かれないんだよ。だから、今まで50年で作り上げてきた
広告の定型みたいなものをぶち壊して、ということに
クリエイターもお得意さんも真剣に取り組まないと。
つまんないものが大量生産され続けることになるよ、と。
川越 なんだか、今CM作るのって、システマティックに過ぎる。
って感じありますよね。段取り決まり過ぎっていうか。
サトー そうだね。宣伝会議とか広告批評とかの講座で、学生さんでも
CMの定型にはまったアイディアは出せちゃうわけだよね。
15秒の後半には決まって商品カットがあって。って。
そういう意味では、お得意さんだって定型のコンテは
書けちゃうわけだから、僕ら(プランナー)はそこへ
「そうじゃないですよ」って啓蒙しなきゃいけないだろうな。
ってことかなあ。
川越 ふむ。
サトー ユニクロのCFがあの時期、あれだけ注目されたってのは、
静寂であることっていうのが、広告の定型を壊してたから、
っていうことだと思うし。
川越 なるほど。
サトー ま、CMにこうあって欲しい、ということはないけど、
せめて自分はこうありたい、っていうことでいえば、
「僕だから」という哲学に基づいたものを創り続けて
いきたいって事かな。
それがやれなくなったり、それが受け入れられなくなったら、
僕がプランナーをやる理由ってのもないので。
川越 ええ。
サトー で、僕がやりたいことというのは、
笑うことでも、きれいだなと思うことでも、
バイブレーションの高いもの、かなあ。
川越 はあ。(???)
サトー すごい素敵な絵や器を見るときって、立ち止まるじゃない?
そういうような、絵とかいうのは、高いバイブレーションを
発していると思うので・・・。
川越 ああ。(!!!)
サトー やるんだったら、そんな精妙な高いバイブレーションをもった
美しいものを、それが撮れるカメラマンと組んでやりたいし、
笑いをやるんだったら、とてつもなくいかれた電波、波動の
高いものをやりたい。そんな感じかなあ。
ま、それを楽しく、やれればなあ。
川越 ふむふむ。
サトー 昔、現場で監督が威張りくさってるのとか見てきたけど、
それであがったものにそのギスギスした感じが出てたりとかして。
現場のムードとか、気持ちよさとか、そういう雰囲気っていうのが
フィルムに焼き付いちゃうんだよね。
だから、これからも気持ちよくやれればいいかな。と。
気持ちよく創って、気持ちよく観てもらえればいいな。と。
川越 あー、今日はホントありがとうございました。


    いやあ、危機感の部分はホントにオイラも同感。
    っつーか、最近飲むとそういう話しかしてないような。
    消費者のメディアとの付き合い方が変わりつつあるのだから、
    送り手側も変わる準備をそろそろしないとね。
    オイラも手探りで、楽しいほうへ行きたい。強くそう思うのだ。

    最後に、克也さん、本当に長い時間ありがとうございました。
    師匠と話す(正確には“聞く”だが)のは、なかなかない
    機会だったのでおもしろかったっす。

    ということで、第1トーク、おしまいです。


ぜひご感想をメールで、webmaster@tomotake.infoまで。

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